暗い飲食店の運営に必要な風俗営業2号(低照度飲食店)てどんな営業? 風営法専門の行政書士がご案内します。

一定以下の明るさで行う飲食店は風俗営業2号許可が必要

暗い光の中飲食店を行う場合にはお気をつけください。接待がない場合でも風俗営業の対象になります。
具体的には10ルクス以下で行う飲食店は、風営法上は「風俗営業2号」となり風営法で規定されている一定の要件をクリアしなくてはなりません。

【風営法第2条第1項第2号】
喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、国家公安委員会規則で定めるところにより計った営業所内の照度を10ルクス以下として営むもの(前号(すなわち「風俗営業1号」)に該当する営業として営むものを除く。)

深夜の飲食店については明るさに規制アリ

風営法では風俗営業に対する規制だけでなく、深夜における飲食店営業に対しても規制があります。
明るさについて言えば「20ルクス以下となることがないよう必要な構造又は設備」を備えていなくてはなりません(詳しくは「深夜の飲食店営業の構造・設備要件」)。
しかし、風俗営業2号は深夜の営業はできません。
深夜以外の営業において10ルクス以下の照度で飲食店を営業する場合に必要となります。

風俗営業2号は5ルクス以下の照度になってはダメ

深夜酒類提供飲食店は深夜において20ルクス以下とならないようにしなくてはなりませんが、
深夜以外についての照度については、風営法では規定されていません。
それだけに、深夜前におけるバー等の飲食店は照度を注意してください。
深夜に飲食店をしないから照度は問題ないと思って油断していて
いざ照度を計ってみると照度が10ルクス以下だった、という事例があります(10ルクス以下は風俗営業2号)。

具体的な「構造・設備要件」

以下に風俗営業2号の構造・設備要件をご案内します。


客室の床面積は5㎡以上とすること。
(客に遊興をさせる態様の営業にあっては33㎡以上)


客室の内部が当該営業所の外部から用意に見通すことができないものであること。


客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないこと。


善良の風俗又は清浄な風俗環境を害するおそれのある写真、広告物、装飾そのほかの設備を設けないこと。


客室の出入口に施錠の設備を設けないこと。ただし、営業所外に直接通ずる客室の出入口については、この限りでない。


第30条に定めるところにより計った営業所内の照度が5ルクス以下とならないように維持されるため必要な構造又は設備を有すること。


第32条に定めるところにより計った騒音又は振動の数値が法第15条の規定に基づく条例で定める数値に満たないように維持されるために必要な構造又は設備を有すること。

ポイント

客室の床面積は5㎡以上

「客室の床面積が5㎡以上」ということは、かなり小さいスペースの客室から営業が可能ということになります。しかし・・・実はこの面積の客室は「風俗営業1号(キャバクラなど接待ありの営業)」でも対応可能です。下記の風営法の1号営業の規定を見て下さ。

客室の床面積は、和風の客室に係わるものにあっては1室の床面積を9・5平方メートル以上とし、その他のものにあっては1室の床面積を16.5平方メートル以上とすること。ただし、客室の数が1室のみである場合は、この限りでない。

和室タイプなら9.5㎡以上、その他は16.5㎡以上ですが、客室が1室のみであるならばこの縛りはありません。むしろ2号営業は「5㎡以上」という縛りがありますが、1号営業は客室が1室のみであれば「5㎡以上」という縛りもありません。

接待はない

風俗営業2号は、客に遊興させることは想定されていますが、接待を行うことはできません。接待を行うのであれば「風俗営業1号」に該当します。あくまで10ルクス以下の薄暗い飲食店なのです。

深夜営業を行えない

深夜酒類提供飲食店営業は、深夜において営業することについて一定の要件をクリアしていることについて届出手続きが必要となりますが、風俗営業2号はそもそも「風俗営業」なので深夜の時間帯に営業することが許されていません。
飲食店だからといって深夜の時間帯も営業できると勘違いされる方がいらっしゃいますが、あくまで風俗営業なのでご注意ください。

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