深夜酒類提供飲食店営業の「お店の構造・設備の基準」【風営専門の行政書士が解説】

深夜酒類提供飲食店は、お店の構造や設備に風営法のルールがあるから気をつけろ!!

 深夜営業(深夜酒類提供飲食店)は、
店内の構造・設備にルールがあります。
 


「これだけの広さが無いといけない」

「こんなものを設置してはいけない」

といったルールが複数あるので、
特にお店を賃貸する際には要注意です。

具体的には以下のようなルールがあります。

項目詳細
1 客室の広さ客室の床面積は、一室の面積を9.5㎡以上とすること。ただし、客室の数が一室のみである場合は、この限りでない。
2 店内の見通し客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないこと。(1メートル以上のもの
3 店内の風紀善良の風俗又は清浄な風俗環境を害するおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けないこと。
4 出入口の鍵客室の出入口に施錠の設備を設けないこと。ただし、営業所外に直接通ずる客室の出入口については、この限りではない。
5 客室の明るさ営業所内の照度が20ルクス以下とならないように維持されるため必要な構造または設備を有すること。スライダックス(調光機)の設置はダメ。明るければ明るい方が良い。
6 騒音対策第32条に定めるところにより計った騒音又は振動の数値が法第32条第2項において準用する法第15条の規定に基づく条例で定める数値に満たないようにに維持されるため必要な構造または設備を有すること。

深夜営業のルール 具体的に解説

1、「客室の面積」について

 客室は「お客様が飲み食いするエリア」のことで、
1室の広さが9.5㎡以上あることが求められます。
 


客室から伸びるトイレまでの通路や、客室に通じている事務所までのエリアなどは基本的に「客室」に含まれません。もちろん「お会計のエリア」「スタッフの控え室」「事務所」「調理場」「トイレ」「洗面所」も含まれません。

ということは、そういったエリアの面積を除いた「客室」の部分のみで「9.5㎡以上」なければなりません。

ただし、
2部屋以上ある場合にこの「9.5㎡ルール」が適用され、
客室が1つのみの場合は9.5㎡を下回っていても問題ありません。


以前あった事例で客室が2室あったのですが、
1つが9.5㎡を下回る広さのため、泣く泣く1室のみの客室での深夜営業許可となったことがあります。

お店を借りる際には十分お気を付けください。

2、「見通しを妨げる設備」

「見通しを妨げる設備」とは、「高さおおむね1メートル以上のもの」を指します。
深夜営業を行うのであれば、1メートル以上のものが客室にあってはいけません。

「おおむね」の意味は「大体、おおよそ」。

ですが、1メートル以上のものを置かない方が無難です(例外はありますが、最初から設備のプランの中に「1メートル以上のもの」を入れないほうがいい)。

注意すべきものに
「イス」「テーブル」「ついたて・仕切り」「後付けの壁」などがあります。


3 「店内の風紀」について

店内に、ヌード写真やポスター広告物、装飾などお店の風紀を乱すようなものを掲示などするこはできません。

深夜酒類提供飲食店営業届出という手続きは
はあくまで、普通の居酒屋さんや料理屋さんが深夜の時間帯にお酒を提供をすることがメインとなるような営業をする際に必要となります。

ですから深夜酒類提供飲食店営業は
深夜に営業できるだけであって、
居酒屋、料理屋の域を脱することはできません。

出入口の鍵

店内に、2以上の客室がある場合で、その客室の出入り口にカギの設備があってはいけません。

ですから
お店の入口を入ると客室が1室広がる場合にはこの「出入口の鍵」のルールは適用されません。

またもちろんお店と外の世界の出入り口にカギの設備があるのは大丈夫です。

客室の明るさ

客室や、お客様が良く使用する場所については明るさは20ルクスを超えていないといけません。

明るさについては、
通常お客様が使用するテーブルやイスの上で測りますので
お客様が利用するイス・テーブルを設置する箇所の照明については、
暗くならず、明るい照度を保てるようにしましょう。

また、
普段は明るく照明を保っていても「調光器(スライダックス)」がある場合はその設置を認めない警察署がほとんどです。
もし調光器がある場合にはスイッチへの変更をしましょう。

騒音対策

騒音については、各都道府県の風営法条例においてその騒音の数値が規定されています。
数値をクリアしていれば風営法上は問題ないのですが、
深夜酒類提供飲食店営業の手続きにはそもそも「店舗検査(構造検査)」がありません。そのため油断をして大きな音量でカラオケをするお店も少なからずあります。

そのような営業を続けているため近隣住民などから警察署に苦情の連絡がありそれをきっかけに立ち入り検査というのはよくあるケースです。

ですから、
防音対策をしっかりと行い風営法条例で定められた数値をクリアすることはもちろんのこと、近隣住民等にも配慮した対策をすることを心がけましょう。

基準をクリアしたら、必要書類にまとめます

深夜営業のお店の基準をクリアしたら
クリアしていることを書類にまとめていざ手続きとなります。

(「場所」の基準の確認もお忘れなく!)

基準をクリアしているだけではだめで、
それを証明するための必要書類の作成・収集が必要なんですね。

そのため必要書類を確認しないといけないのですが、
深夜酒類提供飲食店の営業届出手続きについては
別記事でご案内していきます。

店舗の基準そして場所の基準をクリアしている方は
是非そちらの記事をご確認ください。

※※※
必要書類の詳細は、下記の記事からご覧いただけます。

深夜酒類提供飲食店営業の【必要書類】を何度も手続きした行政書士がご案内します
※※※
「場所」の基準の詳細は、下記の記事からご覧いただけます。

深夜酒類提供飲食店を営業するお店の場所の「用途地域」にはご用心【深夜営業専門の行政書士がお話しします】

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