映像型性風俗特殊営業の届出ガイド|定義・届出について行政書士が解説

個人でアダルト配信を手軽にすることができる時代となりました。
myfansやcandfans、fantiaなど様々な配信サービスがある一方で
アダルト配信には風営法等の法令が適用され適切な手続き(映像送信型性風俗特殊営業)がなされないまま実施すると罰則が付される可能性もあります。

この記事は、映像送信型性風俗特殊営業について、届出が必要かの判定、映像送信型性風俗特殊営業の基本事項、手続きについて、プラットフォームの注意点、事務所の注意点、などこれから映像送信型性風俗特殊営業についてお考えの方にとって必要な情報のご案内をしていきます。

まずは事象で「あなたの事業が『映像送信型性風俗特殊営業の届出』か必要か?」判定していきます。

定義:映像送信型性風俗特殊営業とは

「映像送信型性風俗特殊営業」とは、
インターネットなどを使って、利用者に映像を送る営業のうち、
性的な内容を主たる目的として提供するものを指します。
映像送信型性風俗特殊営業について風営法では下記のように規定しています。

【風営法第2条第8項】
この法律において「映像送信型性風俗特殊営業」とは、専ら、性的好奇心をそそるため性的な行為を表す場面又は衣服を脱いだ人の姿態の映像を見せる営業で、電気通信設備を用いてその客に当該映像を伝達すること(放送又は有線放送に該当するものを除く。)により営むものをいう。

ここで重要なのは、
「性的好奇心をそそるため」「どんな映像を」「何の目的で」「どの程度の比重で」
利用者に見せているか、の4点です。
この4点がそろう場合、届出の検討が必要になります。

性的好奇心をそそる

映像送信型性風俗特殊営業における「性的好奇心をそそるため」とは、「当該客の性的な感情を著しく刺激する目的であると社会通念上認められるものをいいます。
映像の内容や見せ方が、視聴者の性に関する感情を著しく刺激する目的である、と認められる状態をいいます。
以下の内容が2割ほど含まれている場合には「性的好奇心をそそる」とされています。

衣服を脱いだ人の姿態で、次に掲げるもの

  • 大腿部を開いた姿態
  • 陰部、臀部又は胸部を誇示した姿態
  • 自慰の姿態
  • 排泄の姿態
  • 愛撫の姿態又はこれを連想させる姿態
  • 緊縛の姿態

性的な行為を表す場面で、次に掲げるもの

  • 男女間の性交又は性交を連想させる行為
  • 強姦、輪姦その他のりょう辱行為
  • 性交類似行為
  • 変態性欲に基づく性行為

性的な行為を表す場面

映像送信型性風俗特殊営業における「性的な行為を表す場面」とは、自慰行為、性交、性交類似行為等を行っている人の様子や光景のことを言います。

衣服を脱いだ人の姿態の映像

映像送信型性風俗特殊営業における「衣服を脱いだ人の姿態の映像」とは、全裸又は半裸等社会通念上公衆の面前で人が着用しているべき衣服を脱いだ人の姿態を言います。
通常の水着を着用した人の姿態は「衣服を脱いだ人の姿態」には当たらないが、全裸又は半裸の人の身体の上に、社会通念上人が着用する衣服とは認められないような透明又は半透明の材質により作られた衣装等を着用した場合には、「衣服を脱いだ人の姿態」に当たるとされています。

映像

映像送信型性風俗特殊営業における「映像」とは、静止映像、動画を言います。

専ら

映像送信型性風俗特殊営業における「専ら(もっぱら)」とは、おおむね7割~8割程度以上を言います。
映像送信型性風俗特殊営業1本で売上を立てています、と言い切れる場合は該当しますし、

性的好奇心をそそるための映像の例

前述の「性的好奇心をそそる」「性的な行為を表す場面」「衣服を脱いだ人の姿態の映像」を内容とする映像の例を挙げます。気をつけたいのは全体の2割含まれていれば映像送信型性風俗特殊営業における「性的好奇心をそそる映像」に該当し得ることです。

静止映像の例

  • 人物のヌード写真、露出を強調した写真(人が着用する衣服とは認められないような透明又は半透明)
  • 性的な行為を“場面として”写した写真
  • 性的表現を含むイラスト、CGレンダリング画像
  • 漫画のコマ画像(静止画として提示されるもの)

動画の例

  • 同人AV
  • AI生成された自慰行為を表す動画
  • 性的な行為を内容とするアニメーション動画

電気通信設備

映像送信型性風俗特殊営業における「電気通信設備」とは、電気通信(有線、無線その他の電磁的方法により、符
号、音響又は影像を送り、伝え、又は受けることをいう。)を行うための機械、器具、線路その他の電気的設備を言います。
具体的には、配信用のWEBサーバー、管理用PC、インターネット回線等が該当します。

映像送信型性風俗特殊営業の事例

例えば下記のような営業は映像送信型性風俗特殊営業の届出対象となります。

  • サブスク型の会員制の成人向け動画配信
     (例)myfans:ファンクラブ(月額)型を中心に、写真・動画の会員限定提供
  • アダルトライブチャット(リアルタイム配信)
     (例)FANZAライブチャットで投げ銭(お菓子/ケーキ/ダイヤ/チップ)を送る
  • 成人向け動画の単品課金(PPV)
      (例)Fantiaにおけるバックナンバー購入等で「過去分の都度購入」

届出の全体像

映像送信型性風俗特殊営業の届出は、営業のための事務所の所在地を管轄する警察署に対して行います(風営法第31条の7)。
届出は風営法にて決められた必要書類等により行われます。
前述の映像送信型性風俗特殊営業を行うにあたり、必要な情報を提供し、権限を得て営業を行うことを必要書類にて証明する必要があります。

必要書類等


求められる情報は主に下記の情報となります。

  • 申請書(映像送信型性風俗特殊営業営業開始届出書(様式31号)都道府県サイトよりダウンロード)
  • 営業の方法(営業の方法(様式32号)都道府県サイトよりダウンロード)
  • 事務所の使用権原があることを証明する資料
  • 住民票(本籍記載あり、法人の場合は全ての役員の住民票 3か月以内のもの)
  • 定款(法人の場合)
  • 履歴事項全部証明書(法人の場合)
  • 営業に利用する電話の使用権原があることを証明する資料(都道府県による)
  • 自動公衆送信装置の使用権原があることを証明する資料(都道府県による)

申請書・営業の方法

申請書、営業の方法では下記の情報が求められます。

  • 申請者情報
  • 広告・宣伝するための呼称(いわゆるサイト名やアカウント名)
  • サイト・アカウントURL
  • 自動公衆送信装置の設置者情報(プラットフォーム提供者・サーバー管理者の情報)
  • 広告・宣伝の方法
  • 広告宣伝における18歳未満利用禁止の具体的方法
  • 18歳未満を利用させないための具体的な構ずる措置の内容

事務所の使用権原があることを証明する資料

本資料を用意するにあたっては
「映像送信型性風俗特殊営業を行うことができる専用の事務所の用意」が必要になります。
また映像送信型性風俗特殊営業行うにあたって承諾があることが必要です。
「事務所はかすが、承諾書は発行しない」等のケースがありますので、事務所を賃貸する場合にはあらかじめ「事務所の使用権原があることを証明する資料を物件所有者が発行してくれるか」確認する必要があります。

行政書士    まつばら
行政書士    まつばら

具体的には「目的欄に『映像送信型性風俗特殊営業』の記載がある賃貸借契約書」、「映像送信型性風俗特殊営業を行うことを承諾する」旨の記載のある使用承諾書を用意します。

行政書士   まつばら
行政書士   まつばら

物件でお困りの際は弊所でご紹介も可能ですのでお気軽にご連絡ください。

定款・履歴事項全部証明書

定款の目的欄、履歴事項全部証明書の目的欄に「映像送信型性風俗特殊営業」の記載があることを確認の上、用意します。

行政書士   まつばら
行政書士   まつばら

代表の住所が、現住民票の住所ではないことが良くあるのでご注意ください。

その場合は現住所に統一します。

手続きから許可証(届出済み証)発行までのスケジュール・イメージ

営業方法の確定 / 物件選定

映像送信型性風俗特殊営業を行うにあたってコンセプト設計、ターゲット、映像コンテンツの内容 / 料金設定 / サーバー・プラットフォームの選定等 / 広告宣伝の方法等を決定します。

また映像送信型性風俗特殊営業を行うにあたっての事務所を定める必要があります。事務所を賃貸する場合には前述の「使用権原があることを証明する資料」にご注意下さい。

必要書類の作成・収集

前述の経営情報、申請者情報にもとづき必要書類の作成・収集を行っていきます。

管轄警察署に映像送信型性風俗特殊営業の届出を行う

映像送信型性風俗特殊営業営業開始届出)の申請手続きを行います。
アダルトサイト運営形態によっては、警察署が経験してない方法もあり、その場合は協議や別途追加資料が求められるケースもあります。

10日経過

基本的には営業を開始する前10日までに申請を行うこととなっているため、10日経過後に営業開始ができる理屈となりますが、実際は届出済証が発行されないと営業ができません。
この届出済証の発行に少々時間がかかることがあります。

許可証の発行、アダルトサイト運営のスタート

審査期間を経て、許可証(届出済証)が発行され、
はれて映像送信型性風俗特殊営業ができることとなります。

プラットフォーム型における手続きの基本的考え方

プラットフォーム型でも届出は必要

「プラットフォームの提供元が映像送信型性風俗特殊営業の手続きをしていれば、各アカウント運営者は届出は必要ないのでは」という質問がたびたびありますが、そのようなことはなく各アカウントごとに映像送信型性風俗特殊営業の届出をしないといけません。

アカウントを運営=営業する者が「届出義務がある者」

そのアカウントにおける「映像送信型性風俗風俗の営業は誰が行うのか」がポイントです。
あくまでプラットフォームは映像送信型性風俗特殊営業の場を提供しているだけであるため、実際に映像を配信し利益を得る主体が届出を行う必要があります。
個人が営業を行っている場合は「その個人」、法人で行っている場合は「法人」で届出を行う必要があります。

複数プラットフォーム利用時の届出の考え方

複数プラットフォームにおいて配信をしている場合、また同一プラットフォーム内でアカウントが複数あった場合でも、アカウントごとに映像送信型性風俗特殊営業の届出をする必要があります。

手続きから見た「プラットフォームの選び方」

できることならmyfans、Fantia、Candfansなど国内プラットフォームが無難

国内プラットフォームであって、映像送信型性風俗性風俗特殊営業の必要性に言及しているプラットフォームは安全です。具体的には自動公衆送信装置の設置者情報の公開、決済機能、18禁対応について確認が取れるものが手続き的にムーズに進めることができますし法的にも安全です。

【国内プラットフォームの例】

  • myfans
  • CandFans
  • FANZA
  • Fantia
  • Ci-en

海外プラットフォームは要注意

映像送信型性風俗特殊営業の届出手続きの視点から見たとき、海外のプラットフォームについては「必要な情報が記載されていないことがある」ということです。
例えば「自動公衆送信装置の設置者情報」ん情報を申請書において求められますが、その情報が無いと手続きを進めることが困難になります。
そのため海外プラットフォームを利用する場合には事前に自動公衆送信装置の設置者情報(氏名又は名称 / 住所 / 電話番号)を公開しているか確認する必要があります。

遵守事項

映像送信型性風俗特殊営業を行うにあたって遵守しなければならない事項を以下ご案内していきます。

18歳未満の立ち入り禁止

映像送信型性風俗特殊営業では、18歳未満の利用排除の徹底が求められており具体的には下記の対応が求められます。

  1. 広告・宣伝において、18歳未満の利用禁止を明らかにすること。
  2. 18歳未満を利用させないための具体的な構ずること

1. 広告・宣伝において、18歳未満の利用禁止を明らかにすること。

広告・宣伝において18歳未満の者の利用はできないことを明示する必要があります。

2. 18歳未満を利用させないための具体的な構ずること

基本的には下記の措置を講ずる必要があります。

  • サイトトップページに「18歳未満立入禁止」「18歳未満かどうか確認する画面等の設置。
  • 免許証等の身分証明書による年齢確認、またはクレジットカード等18歳未満が利用できない決済方法を導入する。
  • 年齢確認が取れたものに対し、ID・パスワード等を発行し、ログイン時に認証を行う。

お問い合わせはお気軽にどうぞ(映像送信型性風俗特殊営業)

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