風営法の従業員名簿(従業者名簿)の作り方|テンプレDL・記載例・必要書類・保管期間・罰則

風営法の営業では、「従業員名簿(従業者名簿)」の整備が求められ、立入時には必ずと言っていいほど提出を求められます。
未整備・更新漏れ・確認書類の不足がある場合、指導の対象となります。またきちんと従業員を確認していない結果、未成年者の雇用が発覚すると申請者の拘留や許可証の返納へ発展する可能性もあります。

ただし、やるべきことはシンプルです。

  • 「誰を名簿に載せるか」
  • 「何を記載するか」
  • 「どの確認書類を添付するか」
  • 「いつまで・どこに保管するか」

この視点から整理していくことで従業員名簿を制作することができます。
本記事では風俗営業を行う方が従業員名簿を制作するにあたり前述の内容を中心にご案内しております。

記事内ではテンプレ(Excel/Word/PDF)も配布します。
まずはテンプレをダウンロードし、記載例どおりに1名分を作ってみてください。

※本記事は一般的な実務のご案内です。最終的な取扱いは、所轄警察署の案内・指示に従うか、風営法専門の行政書士にご相談ください。

本記事の根拠条文・通達(一次資料)は以下です。

  • 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(e-Gov
  • 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則(e-Gov
  • 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に基づく許可申請書の添付書類等に関する内閣府令(e-Gov
  • 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準について(警察庁・通達PDF/令和7年10月20日付・令和7年11月28日施行)
  • (更新確認)警察庁:生活安全局の通達一覧

目次

従業員名簿の全体像

風営法の「従業員名簿(風営法上の正式名称は従業者名簿)」は、風俗営業店が各店舗について備える「そのお店の風俗営業に従事する者の名簿」です。

風営法は「許可が無ければ行ってはならない営業」を許可制にしているため、
従業員名簿についても風営法上その制作・整備が求められているものであり、従業員名簿に記載の情報についても風営法によりルール化されています。

特に、立入時に“その場で提示を求められる”ものであるたり、制作に不備があったり、そもそも従業員名簿を用意していない場合は指導の対象になる可能があります。

そのため申請者・管理者は、従業員名簿を積極的な姿勢で整備・保管しその大切さについて店舗に係る従業員に浸透させていく必要があります。

以下、従業員名簿の記載のポイントです。

誰について制作するか臨時・短期・派遣・業務委託を含め、実際に業務に従事する人は原則として名簿管理の対象です。まず「接客従業者」か「その他の従業者」かを区分できるようにします。
何を書くか基本情報(氏名・住所・生年月日・採用日・退職日など)に加え、業務内容を “ 後で読んで分かる言葉 ” で記録します。接客従業者は、生年月日や国籍等の確認事項も記入します。
何を添付するか確認書類(住民票等、旅券、在留カード等)の写しを、名簿に添付して一体で管理します。外国籍の場合は在留期限や、必要に応じて資格外活動の許可の有無まで確認します。
どこに、いつまで保管するか           営業所ごとに備え付け、退職後も3年間保管します。立入時に責任者が不在でも提示できるよう、ファイリング方法を決めておくのが実務上のポイントです。

従業員名簿以外の「立入りで実際に最低限チェックされる項目」は、「『警察署の立ち入り』の際に最低限チェックしたい8項目」にまとめています。
https://nextlife-office.com/2024/06/23/%E8%AD%A6%E5%AF%9F%E7%BD%B2%E3%81%AE%E7%AB%8B%E3%81%A1%E5%85%A5%E3%82%8A%E3%81%AE%E9%9A%9B%E3%81%AB%E6%9C%80%E4%BD%8E%E9%99%90%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%83%E3%82%AF%E3%81%95%E3%82%8C%E3%82%8B%E3%81%93/

誰について制作するか

従業者名簿は「雇用契約がある人だけ」を記載する帳簿ではありません。
実務上は、営業所で業務に従事する人について漏れなく整備できている状態にすることがポイントです。
そのため、臨時・短期・派遣・業務委託で入った人でも、実際に業務に入るなら名簿管理の対象になります。

記載すべき人については下記の区分で判断していきます。

  1. 接客従業者か
  2. その他の従業者か
  3. 外部の人員(派遣・委託等)でも「業務に従事」に当たるか

接客従業者に当たる範囲(案内・会計・配膳など)

「接客従業者」は、いわゆる接待(談笑・お酌等)に限りません。
客に接する形で店の業務を行う人は、基本的に接客従業者側に入ります。

接客従業者に入りやすい例

  • 客席への案内、席替えの誘導
  • 注文取り、配膳、ドリンク提供の補助
  • 会計、料金徴収、レジ対応
  • 客への声かけ、クレーム一次対応
  • クローク、手荷物預かり等(客対応を伴う場合)

接客従業者に該当しにくい例

  • 開店前や閉店後の清掃だけを行い、営業時間中に客と接しない
  • 厨房内だけで調理・仕込みだけを行い、客席に出ない
行政書士    まつばら
行政書士    まつばら

「客席に出る可能性がある」「会計や配膳に入ることがある」なら、最初から接客従業者として整備しておく方が安全です。

その他の従業者の扱い

「その他の従業者」は、営業所で働くものの、客対応(客に接する業務)を担当しない人の枠です。
たとえば次のようなケースです。

  • 厨房専任(客席に出ない)
  • 事務・経理・裏方専任
  • 設備管理・裏方作業のみ

注意点として、最初は「裏方」として入っても、繁忙時に配膳・会計・案内に入る可能性があると、実態は接客従業者寄りになります。この場合は、名簿上の区分や確認書類の整備も、実態に合わせて運用してください。

派遣・臨時・業務委託(ヘルプ)も記載する考え方

短期のヘルプや派遣、業務委託で入る人についても、「営業所で業務に従事するなら名簿を制作する」、という運用が必要です。「1日だけ」「イベントだけ」「繁忙日だけ」でも同様です。

対象に入りやすい例

  • 派遣スタッフ(ホール補助、会計補助、客席対応を含む)
  • 他店からの応援(短期ヘルプ)
  • 業務委託でも、店舗運営の一部として現場稼働する人

運用の要点

  • 入店初日に「区分」を決め、必要な本人確認書類を揃える
  • 退職・終了日(名簿上の退職日相当)を記録する
  • 保管(退職後の管理)まで含めて、名簿と写しを一体でファイリングする

接待の線引き(談笑/お酌/カラオケ等)は、こちらで早見表つきで整理しています
「風営法の接待」どんな行為が該当する?(線引き解説)
https://nextlife-office.com/2018/03/01/huzokueigyo-kyoka-reception/

名簿に書く項目(記載事項)

営業所ごとに従業員名簿を備え、名簿には「住所・氏名」および所定の事項を記載する必要があります。
この「所定の事項(風営法内閣府令で定める事項)」で、性別/生年月日/採用年月日/退職年月日/従事する業務の内容が目留められています。

風営法で求められる必須7項目

  • 住所
  • 氏名
  • 性別
  • 生年月日
  • 採用年月日
  • 退職年月日
  • 従事する業務の内容

住所(都道府県から)

住所は省略せず、後から見て住民票等と照合できる形にします。

氏名(本名)

名簿の「氏名」は、通称や源氏名ではなく本名で整備します。

その他ポイント

7項目の記載が大前提ですが、
それ以外に「電話番号」「年齢」等の情報もまとめれている例もあります。

「従事する業務の内容」の書き方(接客/厨房/事務など)

「従事する業務の内容」は、風営法内閣府令で“書き方の内容・方法まで示されていません。
そのため、運用としては 「後で第三者が見て、店内での役割が誤解なく伝わる程度の内容」 にそろえておくのが安全です。

おすすめの書き方(例)

  • 接客(ホール):案内/注文取り/配膳/会計補助 など
  • 会計(レジ):会計/料金徴収/締め作業 など
  • 厨房:調理/仕込み/洗い場(客席に出ない)
  • 事務・経理:経理/給与計算/事務(店内客対応なし)
  • 店舗管理:店長業務/シフト管理/在庫管理(必要に応じ客対応あり)

兼務がある場合

  • 接客(ホール)+会計(レジ)
  • 厨房+ホール補助(繁忙時のみ)

採用日・退職日の扱い(在籍中/短期/再入店)

同一人物が一度退職し、その後に再度採用される場合でも、過去分の退職日が入った記録は消さずに残すことが重要です。運用としては、再採用の都度、新しい名簿を作成して整備する方法(在籍期間ごとに名簿を分けて保管する方法)が分かりやすく、上書きミスも防げます。

よくある記載ミス(源氏名・住所の省略・兼務の書き漏れ)

氏名を源氏名で書く本名で整備してください。
住所を市区町村以降だけにする都道府県から省略しない方が安全です。
業務内容が「スタッフ」だけ接客なのか、厨房なのか、会計なのかが分かりません。具体的業務内訳が分かる書き方にします。
兼務の書き漏れ繁忙時に配膳・会計に入るなら、その点も反映させてください

一次資料(e-Gov):風営法関係内閣府令(従業者名簿の所定事項)
https://laws.e-gov.go.jp/law/360M50000002001/

確認書類(身分証)と確認事項(生年月日/本籍など)

確認事項(何を確認するか)

従業者名簿で押さえる「確認事項」は、ざっくり以下となります。

  • 日本国籍の方:生年月日/本籍地(都道府県名)
  • 外国籍の方:在留資格/在留期間(必要に応じて資格外活動許可の有無も確認)

確認書類(確認資料)の一覧

確認事項は、次のいずれか資料で確認していきます(名簿に“丼確認書類で確認したか”も記します)

  • 住民票記載事項証明書(本籍あり)
  • パスポート(日本=一般旅券/外国=旅券)
  • 戸籍謄本/戸籍抄本(全部事項証明書/個人事項証明書)
  • 官公庁が発行・発給した書類(これに類するもの)※「生年月日+本籍地都道府県名」が載っているものに限る
    例:船員手帳、小型船舶操縦免許証、身体障害者手帳等
  • 在留カード/特別永住者証明書(該当者のみ)資格外活動許可の確認に使う書類
    例:旅券の証印、資格外活動許可書、就労資格証明書

写しの添付・備え付け(名簿とセット運用)

確認書類は「見た」だけで終わらせず、確認書類の写しを名簿と一体で保管します。
名簿には、確認年月日と、どの書類で確認したかを残してください。
紙でも電子でもよく、電子の場合も「提示できる状態」に整理しておくことが大切です。

一次資料(e-Gov):風営法関係内閣府令 第26条(確認書類)
https://laws.e-gov.go.jp/law/360M50000002001/

テンプレDL・記載例(テンプレート/ダウンロード/PDF)

従業者名簿は「名簿だけ」ではなく、確認書類(写し)とセットで整備・保管します。
テンプレートを使う場合も、次の3点を先に決めてから入力してください。

  1. 名簿は「接客従業者/その他の従業者」の区分を、入店初日に確定する
  2. 確認書類は「何で確認したか(住民票/戸籍/パスポート/在留カード等)」を名簿に残す
  3. 写しは名簿と同じファイル(または同一フォルダ)で、従業者ごとにひも付けて保管する

PDF版(印刷用)テンプレ ダウンロード

印刷して手書きで運用する方向けに、PDF版テンプレートを用意しました。

特徴

  • 現場での記入・押印・ファイリングがしやすい
  • 立入時にそのまま提示できる

ダウンロード https://nextlife-office.com/wp-content/uploads/2026/02/従業者名簿.pdf

Excel版(入力・更新用)テンプレ ダウンロード

採用・退職が多い店舗や、更新漏れを減らしたい場合はExcel版が便利です。

特徴

  • 採用日/退職日/業務内容の変更を追記しやすい
  • 退職者の抽出や保管対象の整理がしやすい

ダウンロード https://nextlife-office.com/wp-content/uploads/2026/02/従業者名簿.xlsx

テンプレートのデザイン

一次資料(e-Gov):風営法施行規則(従業者名簿の備付け・保存)
https://laws.e-gov.go.jp/law/360M50400000001

保管方法・保管期間(退職後3年など)

結論:保管期間は「退職日から3年」

従業員名簿は、在籍中だけでなく、退職日から起算して3年が経過する日まで備え付けが必要です。そのため現役従業者の管理だけでなく、退職者も一定期間追跡できる状態にしておくことが求められます。
また、営業所ごとに備え付けが求められ、
例えば本社一括で保管は認められておらず、
各店舗で従事する(退職した者もふくめ)整備・保管され、
警察署から提示を求められたらすぐに提示できる状態が必要です。

立入等の場合には、管理者が不在でも対応できるよう、保管場所を共有し、
不在時にも対応できる運用が求められます。

紙で保管する方法:名簿+確認書類(写し)をセットでファイル化

紙ベースで運用する場合は、名簿(原本)に対して、確認に用いた書類の写しを、従業者ごとにひも付けて保管します。
おすすめは、従業者1名につき「名簿の該当ページ+写し」を同じクリアファイル(または同じ綴じ位置)にまとめる方法です。
個人情報が多いため、保管は施錠可能な場所にし、閲覧権限者も限定します。

電子で保管する方法:電磁的名簿+即時表示が条件

従業員名簿は、要件を満たせば 電磁的方法(Excel等)での管理に置き換えることができます。
条件は「必要に応じて、機器で
直ちに表示
できること」です。

電子保管の実務:写し(画像/PDF)との“照合”ができる状態にする

電子運用では、名簿(Excel等)だけでは足りず、確認書類の写し(スキャン/撮影データ)を、各従業者の確認書類か照合できる形で保存します。

例:名簿の「従業者ID」や「氏名+採用日」と、写しファイル名/フォルダを一致させる(検索で即出せるようにする)。

保存期間が満了した後:安全に廃棄・削除する

退職日から3年が経過したものは、保管義務の対象から除外されるため、情報漏えいが起きない方法で廃棄・削除します。
紙はシュレッダー等、電子は復元されにくい削除(媒体の管理含む)で対応してください。

罰則・行政処分(罰金/営業停止)

結論:名簿の「未作成・未記載・虚偽」は罰金の対象

従業者名簿を作っていないだけでなく、必要事項の未記載や虚偽記載でも違反になり得ます(風営法第36条、第36条の2)。
また風営法36条(従業者名簿)および36条の2(確認・記録)に関する義務違反は、罰則規定(風営法第54条)拾われ、100万円以下の罰金の対象とされています。

義務の根拠条文(従業者名簿)

風営法36条(従業者名簿)

風俗営業者を営む者は、国家公安委員会規則で定めるところにより、営業所ごとに、従業者名簿を備え、これに当該営業に係る業務に従事する者の住所及び氏名その他内閣府令で定める事項を記載しなければならない。

風営法36条の2(確認・記録)

接待飲食等営業を営む風俗営業者は、当該営業に関し客に接する業務に従事させようとする者について次に掲げる事項を、当該事項を証する書類として内閣府令で定める書類により、確認しなければならない。

【参考】
風営適正化法 第36条(従業者名簿)
風営適正化法 第36条の2(接客従業者の生年月日等の確認)
風営法第54条
https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000122

よくある質問(FAQ)

労基法の「労働者名簿」で代用できますか?
代用できる場合があります
労働基準法の労働者名簿の記載により代替できる場合は、別に従業者名簿を作成する必要はありません。
一方で風営法上の従業者名簿は「雇用契約のある労働者に限るものではない」ことが注意するポイントです。
派遣・業務委託・他店ヘルプ(応援)も載せますか?
「当該営業に係る業務に従事」するなら載せます(契約形態は決め手ではありません)。
業務の一部を委託している場合、その委託業務に携わる従業者も従業者名簿に記載が必要とされ、例として第三者から派遣されたコンパニオン等も、接待・ダンス・歌唱など「当該営業に係る業務」をする場合は対象となります。
「接客従業者」は生年月日・国籍の確認が必須ですか?年齢だけでは足りませんか?
年齢(生年月日)と国籍は必ず確認し、外国人の場合はさらに在留資格等によるこれらの確認が必要です。
接客従業者について、生年月日と国籍は日本人・外国人を問わず必ず確認、外国人は区分に応じて在留資格・在留期間満了日等を確認する必要があります。
従業者名簿に「未記載」「虚偽」があるとどうなりますか?
「作っていない」だけでなく、必要事項の未記載・虚偽記載も指導・違反の対象となります。
よくあるケースは「そもそも従業員名簿を整備していない」です。警察署の立ち入りの際は必ずと言ってよいほど提出を求められますのでご注意ください。

チェックリスト・運用フロー

チェックリスト(DL直後に確認)

  • 名簿が「営業所ごと」に分かれている
  • 住所/氏名/性別/生年月日が記載例ている
  • 採用年月日/退職年月日が記載されている
  • 区分(接客従業者/その他)が分かれている
  • 業務内容の記載がある(案内・会計・配膳・厨房 等の具体的な記載がある)
  • 接客従業者は「確認年月日」「国籍等」「写し管理」ができる
  • 派遣・短期・委託でも、現場に入るなら把握できる運用になっている

運用フロー(入店初日/月次/退職時)

入店初日(その日のうちに)

  • 区分を決める(接客従業者/その他)
  • 名簿を作成(必須項目を埋める)
  • 接客従業者は確認→記録→写し保管まで終える
  • 名簿と写しを一緒にまとめる

月次点検(毎月1回)

  • 空欄がないか(採用日・退職日・業務内容)
  • 実態とズレていないか(裏方→繁忙時に配膳へ等)
  • 警察担当者等にすぐに提出できる状態であるか

退職時(当日中)

  • 退職年月日を記入
  • 退職者束(フォルダ)へ移す
  • 退職後の保管期間管理に入れる(名簿と写しをセットで)

従業者名簿でお困りの方は、お気軽にご相談・ご連絡ください

従業者名簿は、風営法上で事業者に備えおくことが求められている非常に重要な名簿で、立ち入りの際必ず警察署担当者が確認する資料です。
そのため日頃から管理し、立ち入りの際にはいつでも提出できるよう保管・準備しておく必要がります。

行政書士事務所ネクストライフでは、「従業者名簿」についてのお悩みを全国対応しております。お気軽にご連絡・ご相談ください。

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