従業者名簿は、風俗営業を行っている事業者をはじめ風営法において整備し、備えておくことが求められる重要な資料です。
各店舗が、従業員の情報を管理するうえで必要であることはもちろんのこと、警察署においても立ち入りの際必ず確認する資料であり、不備があったり、備えおいていない場合は指示処分その他行政処分の対象となります。
本記事では風営法上必要とされる従業者名簿について、風営法専門の行政書士が解説します。
従業者名簿が必要な風営法上の業種・業態
風営法では従業者名簿を備えなければいけない業種・業態は下記の通りです。
◆ 風俗営業1号~5号の営業
◆ 店舗型性風俗特殊営業1~6号の営業
◆ 無店舗型性風俗特殊営業1~2号の営業
◆ 到底遊興飲食店営業
◆ 深夜営業(深夜酒類提供飲食店営業)
上記の営業は、営業所ごとに、無店舗型性風俗特殊営業、無店舗型電話異性紹介営業については事務所ごとに従業者名簿を備えおく必要があります。
従業者名簿を備えおきは非常に重要(いい加減な管理は危険)、なぜなら・・・
警察立ち入りの際、必ず従業者名簿は確認される
警察署の立ち入りでは、どの都道府県においても必ず従業者名簿を確認します。それだけ従業者名簿についてはきちんとした整備・管理が店舗側に求められています。
以下記事において「警察立ち入りに備える最低限の8項目」について
ご案内しています。
痛い罰則、最悪「営業停止」
従業者名簿の設置義務違反がある場合下記の処分が下される可能性があります。
◆ 100万円以下の罰金
◆ 10日以上80日以下の営業停止(基準期間20日)
厳格な従業者名簿の整備・管理が求められているところですが、ずさんな管理の結果「未成年者が働いていた」ことが発覚した場合「許可取消し」となることもあります。
具体的な従業者名簿の整備・管理のルール
従業者名簿の具体的な記載項目(ダウンロードあり)
従業者名簿においては下記の項目の記載が求められています。
① 住所
② 氏名
③ 生年月日
④ 性別
⑤ 採用年月日
⑥ 退職年月日
⑦ 従事する業務の内容
下記より上記様式のダウンロードが可能です。
「接待行為」等と端的に記載するのではなく「カウンター越しに客から注文を受け酒類やつまみを提供し、談笑などの接待を行う(接待ありのガールズバーの場合)」等、具体的に記載します。
公的な確認資料にて、きちんと記載事項を確認する
前述の「従業員名簿の様式」にあるように、認人確認資料として挙げているものにより、従業員の記載事項を確認していきます。
そもそも従業者名簿は公的確認資料を添付のうえ備えおくことが求められているものでもあります。
具体的には下記の公的確認資料により確認していきます
・住民票(本籍記載あり)
・運転免許証(本籍記載あり 裏面も必ず確認する)
・パスポート(一般旅券)
・マイナンバーカード
・戸籍謄本
・在留カード(外国籍の場合)
今までの事例では、免許証の偽造、姉の住民票を提出、といったケースがあります。未成年者雇用が発覚した場合には「許可取り消し」に発展する可能性がありますので、おすすめは「2つ以上の公的確認資料により、本人の情報を確認していく」ことを行ったほうが良いでしょう。
全従業員に対して従業者名簿を整備する必要がある
全従業員について、従業者名簿を整備するする必要があります。そのため1日しか働かない人についても従業者名簿は備えおく必要があります。
退職から3年間保管する必要あり
従業者名簿は、「従業員が退職した日」から3年を経過する日まで備えなければなりません。そのため前述の1日出勤の方についても退職から3年間保管する必要があります。
パソコン等による記録・保存も可能
前述のとおり「退職から3年間保管する必要」があるため、紙ベースでの保管は煩雑になりやすいかもしれません。そのためPCで保管することも可能です。
(全国対応)従業者名簿でお困りの方は、お気軽にご相談・ご連絡ください
従業者名簿は、風営法上で事業者に備えおくことが求められている非常に従業な名簿で、立ち入りの際必ず警察署担当者が確認する資料です。
そのため日頃から管理し、立ち入りの際にはいつでも提出できるよう保管・準備しておく必要がります。
行政書士事務所ネクストライフでは、「従業者名簿」についてのお悩みを全国対応しております。お気軽にご連絡・ご相談ください。