そもそもナイトタイムエコノミーとは何か??
日本政策投資銀行のレポート「地域へのナイトタイムエコノミー定着に向けて」では、観光庁の定義を引用しつつ、ナイトタイムエコノミー(NTE)を「18時から翌朝6時までの活動」を対象とする夜間の経済活動と説明しています。
同レポートは、NTEのメリットとして「観光客の宿泊誘因」「観光客の消費金額の底上げ」「来訪者満足度の向上」「滞在時間の分散によるオーバーツーリズム対策」などを挙げ、さらに地方創生・都市間競争力の向上にも資する取り組みだと整理しています。
つまり「夜の街づくり」は、単に夜遅くまで店を開ける話ではなく、
- 宿泊を増やす
- 一人当たり消費額を高める
- 昼間とは違う“もう一泊したくなる”理由をつくる
ための戦略そのものです。
また同レポートは、飲食・娯楽・宿泊の売上から日本のNTE市場規模を試算し、2016年で約22兆円、うち観光客による夜間消費が2023年で約8.7兆円と推計しています。
一方でインバウンド専門メディア「訪日ラボ」では、外国人1万人調査で「他国ではナイトライフを楽しんだ人が37%なのに、日本滞在中にナイトライフを体験した人は21%にとどまる」と紹介し、「日本はナイトライフのポテンシャルをまだ取り切れていない」と指摘されています。
ここに、キャバクラ・ガールズバーが取れる「伸びしろ」があります。
そこで本記事では、行政レポートと専門コンサルの記事をもとに、「観光客(特に外国人旅行者)がお金を落とす“夜の街”」の成功パターンを5つに整理してご紹介します。
パターン1エリア全体で「はしご動線」を設計し、自店を“ゴール”にする

東京都の「平成30年度 東京のナイトライフ観光の実態調査・分析」は、訪都外国人がナイトライフで訪問するエリアとして「新宿・大久保」「渋谷」「銀座」などが突出して多いことを示しています。
つまり
- 観光客はまず“わかりやすいエリア”に集まる
- そのあと、そのエリア内で「どこに行くか」が決まる
という構造です。
自店を「最後に辿り着くゴール」に設計する
- 入口は分かりやすい居酒屋・ラーメン・立ち飲み
- 2軒目にライブバーやショーパブ
- 3軒目にキャバクラ・ガールズバー(自店)という“階段”をつくる
エリア内の店舗と「相互送客のはしごマップ」を作る
- 英語・中国語・韓国語入りの簡易マップ
- 「安心して行ける店だけを載せた公式マップ」として、ホテル・観光案内所に配布
紹介インセンティブを明確にする
- 1軒目の居酒屋には「自店への送客1名あたり◯円」
- 自店では逆に「1軒目紹介カード持参はチャージ半額」など
ポイントは「観光客が最初に入りやすい店から、自店までのルートを“組み上げる”」ことです。
単独でキャバクラ、ガールズバー、スナック等に引き込むのではなく、“ナイトはしごの最後の一杯”を取りにいく発想です。
パターン2:明朗会計と安全対策を前面に出した「安心して行ける水商売ブランド」
DBJレポートは、欧州のNTEでハラスメント・暴力・犯罪などが問題化しており、防犯カメラや従業員教育などの安全対策が重視されていること、そして日本でも健全なNTE発展には「安心安全の担保」が重要と指摘しています。
多言語の料金表と「ぼったくり禁止宣言」
- チャージ・サービス料・指名料・税金の内訳を英語等で明示
- 店頭・HPに「追加料金はこの表以外取りません」と宣言
決済とトラブル防止の見える化
- クレジット・QR決済のロゴを入口とテーブルに掲示
- 会計前にタブレット等で「今の金額」を確認してもらうフロー
安全対策の発信
- 防犯カメラ設置・スタッフ教育・泥酔客対応ルールなどをHPに公開
- 地元警察・防犯協会との連携を、むしろPRに使う
「水商売は怖い」というイメージをひっくり返し、
“Safe & Fair Nightlife”を標榜する店だけが、観光客を安定的に呼べるフェーズに入っています。
パターン3:旅行前から「ナイトライフ商品」を売る(情報発信+予約)
訪日ラボは、観光庁の調査を引用し「海外旅行ではナイトライフを楽しむ人が多いのに、日本滞在中にナイトライフを体験した人は21%にとどまる」とし、その要因として「コンテンツの不足」と同時に、「情報発信の弱さ」を挙げています。
“商品化”されたプランを作る
- (例)「初めての歌舞伎町・安心ガイド付きナイト(居酒屋+ガールズバー90分)」
- (例)「英語OKのキャバクラ体験60分・飲み放題+日本式マナー解説」
- 価格・時間・含まれるサービスをパッケージ化
自店サイト+OTA・インバウンド向けメディアで事前販売
- 自店HP(WordPress等)で多言語LPを作成
- 極力、“当日飛び込み不要・事前予約で安心” を訴求
法律を踏まえた表現で“体験”を売る
- 「会話」「お酒」「音楽」「日本的おもてなし」など、合法的な体験価値を強調
パターン4:ホテル・交通と組んだ「ナイトパス」で確実に送客してもらう

東京都の「ナイトタイム観光部会」資料では、ナイトタイムを「18時〜翌6時」と定義し「外国人旅行者が六本木・赤坂などで「ナイトライフを楽しむ」が上位の活動になっていること」「旅行者のチケット手配の課題解消が論点であること」などが整理されています。
エリア別「ナイトパス」の設計
- (例)「新宿ナイトパス:居酒屋1軒+バー1軒+キャバクラ(自店)」
- (例)1店舗あたりの提供メニューを固定し、パス料金の中で精算
ホテル・旅行会社・タクシーとの連携
- ホテルフロントでパス販売 → 自店には「予約枠」として来店
- タクシー会社には「ナイトパス利用客の送迎ルート」を共通化
自店の役割は“最後の1軒+リピート化”
- パス利用客には、退店時に次回用クーポン or LINE登録特典
- 「明日はローカル客向けの割安デー」など、リピートの理由をセットで渡す
狙いは、“ナイトタイム全体の売上”を取りにいきながら、最後の一杯を自店で刈り取る導線を固定化することです。
パターン5:「文化・物語としての夜の街」を編集し、指名したくなる店にする
DBJレポートは、ナイトタイムの価値を
文化的価値(新しい地域文化の創出、表現の場)
社会的価値(第三の居場所、多様な人の交流)
経済的価値(地域経済活性化、雇用・観光消費の拡大)
の3つに整理しています。
キャバクラ・ガールズバーも、
「ただ飲む場所」から「地域の物語を体験する場所」へ変えることで、観光客が“指名して来る店”になります。
テーマ性のある夜を作る
- (例)「アニメソング縛りナイト」「昭和歌謡バー」「日本酒×会話入門ナイト」など
- (例)地域の歴史・文化と絡めてストーリー化
キャストを“ナイトガイド”として育成
- 近隣の見どころ・飲食店情報・マナーを教えられるように研修
- 「明日行くべき昼の観光スポット」を会話の中で提案 → 口コミが拡散しやすい
SNS・口コミサイトで「物語」を可視化
- 撮影OKの範囲で写真・動画を発信
- Googleマップ・口コミサイトで「Safe」「Friendly」「Fun」を意識したレビューを増やす
まとめ:ナイトタイムエコノミーを「自店の指名来店」につなげる設計図
ナイトタイムエコノミーは、「どこかの誰かの夜」を盛り上げる抽象的な話ではありません。
「18時〜翌6時のあいだに、その人の財布からいくら“自店に”お金を動かせるか」という、きわめて具体的な戦いです。
そのためには、5パターンを「自分の街・自分の店ならどうするか」に置き換えていけば、キャバクラ・ガールズバーも、単なる“夜の店”から、観光客がお金を落とす“都市のナイトコンテンツ”へと格上げしていくことができるはずです。
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