2月8日ヤフーニュースで配信された記事。
日刊スポーツによると、かつて「原田桜怜」「前田栄子」の名前で活動していたグラビアイドル手束真知子が秋葉原の自身が経営するコンセプトカフェについて無許可営業で逮捕されていたとのこと、逮捕の経緯については以下の通り。
※ヤフーニュースより、日刊ゲンダイの記事から抜粋
https://news.yahoo.co.jp/articles/3c5dc16f425f8d4d9f57a3511240cda26082e964
もともと2015年に無許可で営業していたため、行政書士に風俗営業許可の取得を依頼したが、「該当建物は近隣に学校がるため取れない」とのこと。すでに店舗の契約はしていた。
行政書士には全料金の半額である10万円を支払った。
2024年2月に管轄警察署から指摘をうけ「風俗営業許可は取れないんです」と話したところ警察からは「取れますよ」とのことで以前依頼した行政書士に依頼中に摘発された。
「10年前に許可を取得できなかった行政書士になぜ依頼したか」について、
「以前半額支払っている、悔しくて残りの半額でお願いします、とディスカウントしたが、安かろう悪かろうでダメだと思った」
風営法専門の行政書士が思うこと
あくまで本記事に基づいた私見です。
物件を借りた後ではもう遅い!借りる前に調査すべし!
物件を借りた後に「店舗近隣に学校がある」ことが判明しても、もはや手の施しようがなく風俗営業をあきらめて別の業態にして経営するか、他の物件を探すしかありません。
風俗営業許可や風営法存在を知っている、知らないでこれだけの差が生まれてしまいます。
新たな事業を実施する前の法令チェック等をきちんとしておきたかったところです。

賃貸する前に、やはり専門家に周辺地域の調査依頼したほうが良いと思います。

ただ、この度の件、借りた後ではある者の行政書士に周辺地域の調査依頼はなさっていて、もしかすると行政書士の判断が間違っている可能性もあり得ます。
行政書士は、学校までの距離をきちんと認識できていたのか!?
該当する物件については、警察は「(許可は)取れますよ!」とのこと。
手束氏のお話ることを信じるのであれば、「行政書士が判断を誤ったのでは?」という可能性が浮上します。
そうすると「行政書士の間違った判断のために手束氏は10年ほど風俗営業許可を取得できなかった」ことになります。
一方警察は「(許可は)取れますよ!」とのこと。
秋葉原エリアにはメイドカフェ、コンカフェなどの店舗は数百あり、管轄警察署は相当の風営法上の手続きに対応し、許可証を発行してきたことは想像に容易い、と言えます。
要するに「どの場所で許可を取得できるか」等管轄警察署が理解していて当然です。
そのため手束氏のお話が正しいのであれば、行政書士はとんでもない過ちを犯したことになります。
なぜ行政書士は依頼を受けたのか?
非常に謎なところです。
この度の件、もとはと言えば行政書士が「近隣に保全対象施設である学校がある」ということが原因の1つとして始まった話です。
調査した結果「近隣に学校があるので風俗営業許可を取得できない」と断定したのであれば、なぜ改めて依頼を受けるのか。。。
「自分の判断が間違っていた」と認めたのでしょうか?それとも「もう一度銭を稼ごう」と思ったのでしょうか?
非常に謎なところです。
対策! 風営法の専門家が「自分だったらこうする!」こと
疑問がある場合は「セカンドオピニオンは絶対!」
弊所の事例では「行政書士によって取れる!取れない!の意見が分かれる『この物件』について調べてくれないか」という依頼が2024年の1月にありました。
そのお客様はいろいろな行政書士に問い合わせをしていて最終的な決定をしたいとのこと。また賃貸予定の物件については30m先に保育施設があり、風俗営業許可を取得できないのでは、と多くの行政書士に言われたとのこと。
そのため弊所で調査したところ、保育施設は保全対象施設に該当せず(具体的には児童福祉法第7条第1項に規定する施設に該当しなかった)、別の法律に基づいた保育施設であることが判明し、本施設においても風俗営業許可を取得することができました。
HPで1ページ目に検索される専門家は圧倒的に依頼を受けている、とよく言われるものですが、だからと言ってその業者が専門家かどうかは別の話です。
例えば資金力のある業者がSEO対策に力を入れて1ページ目に検索される努力をしているかもしれません。本当に腕の良い専門家は「紹介」が回っていることが多く、HPに力を入れていないケースも多々あります。
また料金についても気を付けるべきです。経験を積みたい専門家は「料金を低くしてでも」経験を積みたいわけです。経験を積んでいる専門家からすると「その業務の、こういったのがとても大変なんだ」ということを理解しているため「最低限これくらいの額はもらわないとやってられない」という値付けができます。
普段から情報収集
特に風俗営業は、毎年全国で逮捕者がでる営業です。そのためいろいろな情報のチェック、その情報に基づくリスク管理は経営者としてしていくべきです。
できることなら物件を借りる以前に(借りてしまったらその後すぐに)、信頼のおける専門家を味方につけておきたいところです。
この度の件、事態が収束することを祈るばかりです。