不動産屋に店舗を探しに行く

気をつけるポイント3つ

先に言っちゃうと・・・

・店舗の周辺状況を必ず確認(特に保全対象施設)

・店舗の内装は必ず見て風営法の基準をクリアしているか確認

・賃貸借契約書には許可を取るために「記載すべき項目」がある

では早速「ステップ3 不動産屋に店舗を探しに行く」を進めていきましょう。

不動産屋で店舗を探す


「風俗営業1号許可の取得マニュアル」では、風俗営業1号許可を取得する方法・流れを一挙公開しております。
営業する店舗については、「ステップ1 風俗営業1号をやるエリアを選ぶ」でご案内したとおり、基本は「商業地域」「準工業地域」の用途地域エリアで店舗を探します。またこの時に注意しなくてはならないのは保全対象施設です。店舗の周辺に学校や病院、公園、図書館といった施設がある場合は要注意です。

不動産屋さんが「風営法」に詳しく地域の実情にも詳しければいいのですが、大抵はそこまで詳しくないか、全然わかりません。ですから「以前のお店はスナックだったよ」などと言われても安心してはいけません。無許可営業の可能性もありますし、許可取得後にその周辺で病院が出来た場合は、新たに取得するときにはその病院は立派な保全対象施設です。
気に入った店舗が見つかりましたら「必ず自らの足で」現地調査・周辺調査をしましょう。


気をつけたいのがビルやマンション、地下のある建物です。
ビルの中にどのような施設が入っているかまで本来調査したほうがいいのですが、ビルの所有者や管理会社に問合わせても「他人に教える理由はない」のです。ビルの所有者や管理会社からすれば「どのような者かもわからないのに、教える義務なんかこちらにはないよ」という話なのです。また忘れがちなのが地下にある施設です。地下にある施設ももちろん病院、図書館等の施設であれば立派な保全対象施設です。

店舗の内装をチェック

気に入った店舗の現地調査・周辺調査が済んだら、続いて「店舗内のチェック」です。
「ステップ2 「必要書類」「法律」「取得までのスケジュール」をチェック」では「クリアしなければいけない基準」をご案内しましたが、改めて下記にご案内します。

(その1)
お客さんが遊ぶ部屋は、和室テイストの場合は「9.5㎡以上」その他の場合は「16.5㎡」。ただし1室のみであればこのルールは適用しない。

(その2)
お客さんが遊ぶ部屋の「内部」を、「外」から簡単に見通すことができない。

(その3)
お客さんが遊ぶ部屋に見通しを妨げる設備(おおむね1メートル以上)がない。

(その4)
お客さんが遊ぶ部屋に、エッチな広告物や装飾などはない。

(その5)
お客さんが遊ぶ部屋の入口に鍵のかかる設備がない。ただし、外に直接通じる部屋である場合はこのルールは適用されない。

(その6)
部屋の明るさが5ルクス以下とならないような設備がある。

(その7)
風営法関連の法律や条例で決められた騒音を発しない構造になっている。

上記を全て満たしている店舗出ないといけないわけですが、
それだけではありません。風俗営業1合許可を取得するには、前提として飲食店営業許可を取得していないといけないですよね。
実は飲食店営業許可についてもクリアしなくてはならない「基準」があるのです。
多くの都道府県が下記のような基準を設けています。
店舗を借りる前に、あらかじめ保険所での確認をしてください。

(1)
清掃しやすい構造・材質(天井、床、壁)で作られた専用の調理場
住居・食品庫・客席などの区画(戸)されていること。
十分な明るさを有し換気が十分に行える構造であること。(2)
2槽以上のシンクでそれぞれ独立して蛇口があること(3)
手洗い器:調理場と便所それぞれに設置する。(サイズ:JIS:VL-710(36×28cm)以上が望ましい)

(4)
給湯設備が2槽シンクにある蛇口のいずれからかお湯が出ること

(5)
ガスコンロを使用する場合はフードがあり換気扇等がついている。換気扇は開閉式などで外から虫等が入らないこと。

(6)
冷蔵設備:見やすい場所に温度計を設置する。

(7)
食器戸棚:扉があること。

(8)
便所:調理場から離れていること。

(9)
窓には網戸があり虫等が入らないこと。

(10)
壁や、水道の管が壁に通る箇所に穴がないこと。

(11)
戸棚などに木材を使用している場合は塗装されていること

(12)
使用水:自家水(井戸水等)を使用する場合は、塩素滅菌装置等を設置すること。

「風俗営業1号の基準」と「飲食店営業許可の基準」を比べると
「風俗営業1号の基準」は、主に調理場以外の店舗の中の構造・設備についてのルールであることがわかります。「飲食店営業許可の基準」は、主として調理場を中心とした構造・設備についてのルールであることがわかります。要するに店舗全体のチェックが必要になるわけです。

「居抜き物件」は要注意

居抜き物件は注意が必要です。上記にちらっと記載しましたが、風俗営業1号の基準を満たしていないことがあります。例えば法律に違反して1メートル以上のものが設置されていたり、照明が暗かったりすることがあります。中には「2槽シンクがない」「手洗い器がない」なんてこともあります。「風俗営業1号の基準」「飲食店営業許可の基準」の両方をどれだけ満たしているかを必ず確認しましょう。

そういった物件でも手直しをすればもちろん風俗営業1号を取得することはできますが、「どれくらい費用がかかるか」「工事にはどれくらいの期間がかかるか 」は内装業者に確認しておいたほうが良いでしょう。
何も知らずに「このお店がいい!」と気持ちだけで借りたはいいものの、いざ手続きを始めたら大工事が必要だった、なんていうのが後から分かっては大変なことになります。

風俗営業1号の構造・設備の基準について、より詳しく知りたい方は
下記のページをご覧下さい。

店舗の賃貸借契約書で気をつけること

「店舗の周辺状況」「店舗の内装」の両方を確認し、問題がなければ、いざ賃貸借契約となりますが、賃貸借契約を結ぶ際に必ず「賃貸借契約書」を作成するはずです(作成しないと「風俗営業1号許可の必要書類:営業所の使用権原を疎明する証明書」を満たせません。必ず作ってもらいましょう)。その際記載事項を確認しましょう。
確認すべき箇所は以下のとおりです。

・所有者

・使用目的

「使用者」について

所有者の欄には「本当の所有者」が記載されていないといけません。ちょくちょくあるのですが所有者がご高齢のため、「所有者の子供の名前」が記載されてたり不動産屋の名称が記載されていることがあります。本当の所有者の確認は「法務局」で「全部事項証明書」を発行して確認することがでいます。

【全部事項証明書】
法務局で発行される、不動産登記簿に記載されている内容が記載され、それが真正であることを証明する書面。

とりあえずは全部事項証明書を取得する前に、不動産屋に「登記簿上の所有者ですか?」と確認してみましょう。

「使用目的」について

使用目的についてよくあるパターンが「スナック」「飲食店」という文言です。これらの文言は風俗営業1号の手続きでは「ダメ」な可能性が非常に高いです。
それは風俗営業1号の営業が「接待行為ありの飲食を伴う営業」だからです。「スナック」「飲食店」という文言では「果たして接待はあるの、ないの?」「ないなら風俗営業許可を取得する必要はないのだよ」ということになるからです。
こちらの文言にはできる限り「風俗営業1号の営業」がわかる文言を記載します。風俗営業1号の営業をおこなうな、ということが完全に理解できる文言は下記となります。

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第2条第1項第1号の営業

上記は風営法に記載されている文言で「風俗営業1号の営業」のことを指します。要するにキャバクラ、ガールズバー、スナック、ホストクラブなどの「接待行為ありの飲食を伴う営業」のことを言っています。この文言を記載してあればひとまずは安心です。

上記についてはより食しく知りたい方は下記をご覧下さい。

いかがでしたでしょうか?

店舗を賃貸することはとても大きな費用が発生することとなりますので、よく調べて行って下さい。よく調べるためにはやはり風営法などの法律の知識が必要になります。本ページでは「風俗営業1号許可の基準」「飲食店営業許可の基準」についてご案内しておりますので、チェックの上店舗の内覧に行ってください。

わからないこと不明なことありましたらいつでも行政書士事務所ネクストライフにご連絡ください。