今、ブームを迎えているクレーンゲーム。「クレーンゲームのお店を開きたい」「自分の店の片隅にクレーンゲームを置きたい」と、出店や設置を考えている方が増えています。
クレーンゲームの出店・設置には風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)という法律が関わり、ケースによっては警察の許可が必要です。
そこで今回は、クレーンゲームと風営法の関係をわかりやすく整理し「自分のお店は許可が必要か」を見極める手順を紹介します。
許可を取得するための条件や申請の流れ、2025年に大きく変わった罰則、景品のルールまでやさしく解説!クレーンゲームでの出店や設置を考えているなら、ぜひ本記事を参考にしてください。
【この記事の結論】
- クレーンゲーム専門店は、原則として風営法5号許可が必要です。
- 既存店舗の一角に設置する場合は、ゲーム機スペースが客室面積の10%以下であれば、許可不要となる可能性があります。
- 景品は、原則として小売価格おおむね1,000円以下に抑える必要があります。
- ただし、面積の数え方や施設の形態は所轄警察署の判断によって異なる場合があるため、出店・設置前の確認が重要です。
行政書士事務所ネクストライフ代表の行政書士・松原 輝(マツバラ アキラ)です。風営法の手続きを10年近く行ってきました。日本全国の手続きに対応しております。
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クレーンゲームの出店・設置は、原則「警察の許可」が必要
クレーンゲームを並べたお店を営業するには、原則として警察(公安委員会)の許可が必要です。
風営法ではお店の種類を1号から5号まで分けており、ゲームセンターは5番目(5号)にあたります。
「風俗営業」と聞くと、「接待や飲食をするお店」を思い浮かべる方も少なくありません。しかし実際には、ゲームセンターのような「遊びを提供するお店」も含まれます。
そのため、営業を始める前には、お店のある場所を管轄する警察署を通じた「許可」が必要です。
クレーンゲームの導入に許可が必要なのは、クレーンゲームが「つい熱くなって、お金を使いすぎてしまう遊び」だと考えられているためです。
「『あと少しで景品が取れそう』と感じて、ついコインを入れ続けてしまう」という心理を、法律では「射幸心(しゃこうしん)」と呼びます。
クレーンゲームは、遊技の結果によって景品を獲得できる仕組みです。射幸心をそそるおそれがある遊技設備として扱われるため、風営法上の規制対象になり得ます。
風営法は「使いすぎや賭博につながらないよう、お店側にルールを守ってもらう仕組み」と考えると分かりやすいでしょう。
実は、ゲームセンターにあるすべてのゲーム機に許可がいるわけではありません。許可が必要なのは、つい使いすぎてしまうタイプの機械に限られます。
| 許可が必要 | 許可が不要 |
|---|---|
| クレーンゲーム(UFOキャッチャー) メダルゲーム スロット型の機械 ルーレットやトランプを使う機械 など | ガチャガチャ プリクラ ビリヤード ボウリング バッティングやピッチングの機械、モグラたたき パンチング ドライブ・フライトのシミュレーション機 など |
クレーンゲームは「許可がいる側」の代表格です。
一方で、お金を入れれば必ず何か出てくるガチャガチャや、写真という成果物が手に入るプリクラは、つい使いすぎてしまうリスクが低いとされているため、許可は不要です。
数台だけなら許可がいらない?分かれ目は「10%ルール」
クレーンゲームを置いても、必ず許可がいるとは限りません。分かれ目は、ゲーム機を置くスペースが、客室面積の「1割(10%)」を超えるかどうかです。
客室面積とは、厨房・トイレ・事務スペースなどを除いた、お客さまが利用する部分を指します。
つまり、コンビニやスーパーなどの一角にクレーンゲームを数台置くだけなら、許可が不要になるケースもあります。
一般に「10%ルール」と呼ばれる扱いで、ゲーム機を置くスペースが客室面積の10%以内に収まるかどうかが判断の目安です。
ただし、面積だけで決まるわけではありません。あくまでお店の「メイン」ではなく、付随的な設置といえるかどうかも見られます。
クレーンゲームが主役のような置き方では、10%以下でも許可が必要と判断されることがあるため、注意しましょう。
10%ルールの範囲に収めようとする場合、大切なのは面積の数え方です。
「機械が床に接している部分の広さ」だけで計算するのは誤りです。実務では、機械そのものの面積に加えて、お客さまが遊ぶために必要なスペースも含めて数えます。
機械が占める面積のおよそ3倍を目安として計算されることが多く、小さなクレーンゲーム1台でも1.5㎡ほどとして数えられる場合があります。
数え方は警察署(所轄)によって細かな違いがあるため、ギリギリを狙うほど判断が難しくなる点に注意が必要です。
クレーンゲームの設置につうて風営法の許可が必要かどうかは、次の流れでおおまかな見当をつけられます。
- 置く機械はクレーンゲームやメダルゲームなど「許可がいる側」か
→ いいえなら許可は不要なことが多い - クレーンゲーム機を置くスペースは、客室面積の10%を超えるか
→ 超えるなら許可が必要 - 10%以下に収まるか
→ 収まれば許可は不要なこともある(ただし後述の景品ルールには注意)
上記は、あくまで目安です。面積の数え方や地域ごとのルールで結論が変わります。特に「10%以下かどうか」の判断は、機械の実寸だけではなく、遊技スペースも含めての確認が欠かせません。
物件契約前・設置前の段階で不安がある方は、行政書士事務所ネクストライフへご相談ください。

クレーンゲームの景品は1個「だいたい1,000円」まで!高額景品に注意
クレーンゲームの景品には、価格の上限があります。クレーンでつかみ取る景品は、小売価格でおおむね1,000円以下にとどめるのが基本です。
警察庁が示す運用の基準にもとづくもので、業界団体である日本アミューズメント産業協会(JAIA)も、1,000円以下の範囲を守るよう呼びかけています。
景品の上限価格は、時代とともに引き上げられてきました。かつては800円が目安でしたが、2022年3月に1,000円へと改められています。
高価なブランド品やゲーム機など、明らかに小売価格1,000円を超える物品をクレーンゲームの景品として提供すると、風営法違反に問われるおそれがあります。
過去には大阪府で、ゲームセンターの経営者が高額な物品などをクレーンゲームの景品として提供した疑いにより、風営法違反で逮捕された事例があります。
参考:JAIA 「AOUニュース2004年3月号」
また、高額景品を掲げながら、実際には景品が取れない設定にして客に料金を使わせたケースでは、詐欺罪が問題になります。
2017年には大阪府で、景品が絶対に取れないように設定したクレーンゲーム機を使い、客から料金をだまし取ったとして運営会社の社長らが逮捕され、有罪判決が言い渡された事例もあります。
参考:日刊スポーツ「景品取れないクレーンゲーム機詐欺、社長ら6人逮捕」
クレーンゲームの景品は「お客さまに魅力を感じてもらえるか」だけでなく、「小売価格がおおむね1,000円以下か」「実際に獲得できる適正な設定か」まで確認して選定しましょう。
お店のタイプによって、次のように景品ルールが変わります。
- 風俗営業にあたるお店:上限は1,000円
- そもそも風俗営業にあたらない施設:風営法5号営業としての景品規制がそのまま適用されないと整理される場合あり
ただし、店舗の区画、運営主体、見通し、設置目的などによって判断が分かれるため、「ショッピングモール内なら高額景品でもよい」と一律に考えるのは危険です。
1,000円を超える景品を扱う場合は、必ず事前に所轄警察署または専門家へ確認してください。
景品にできるのは「品物」だけ、という点も見落としがちなポイントです。
ゲームの結果に応じてお店の割引券やサービス券、ドリンク券などを渡す行為は、原則として認められていません。
クレーンゲームでつかみ取る品物(おおむね1,000円以下)が例外的に許されているだけで、金券のようなものを景品にするのはルール違反にあたります。
風営法5号の許可を取得する条件は「人・場所・お店の造り」
風営法5号の許可を取得するには、大きく次の3つの条件をすべて満たす必要があります。
- 申請する人
- お店の場所
- お店の造り
上記のどれか1つでも欠けると許可は下りませんので、注意しましょう。
法律では、許可を出せない人の条件(欠格事由)が決められています。
たとえば、次のような条件に当てはまる場合は、許可が下りません。
- 破産して立ち直っていない人
- 一定の重い罪で刑を受けて一定期間が経っていない人
- 暴力団に関わる人
- 麻薬やアルコールなどの中毒がある人 など
会社で申請する場合は、役員全員が条件をクリアしている必要があります。
お店を開く場所にも条件があります。
どこでも自由に開けるわけではなく、「土地の使い方のルール(用途地域)」と「学校や病院などの近くを避けるルール」の2つで制限されます。
住宅専用の地域では、原則として営業できません。また、学校・病院・図書館・保育園といった施設(保全対象施設)の近くも避ける必要があります。
距離の基準は地域によって異なり、たとえば商業地域では学校からおよそ50m・病院からおよそ30mといった目安が定められています。
具体的な距離は都道府県ごとの条例で決まるため、必ず事前に出店予定地のルールを確認しましょう。
お店の内部の造りについても条件があります。健全な環境を保つため、主に次のような決まりがあります
- 店内を一定以上明るくすること
- 高い仕切りなどで店内を見通しにくくしないこと
- 客室の出入口に鍵をかけられる設備を付けないこと など
なお、両替機は問題なく設置できますが、お札を直接入れて現金や有価証券が出てくるような機械は置けません。
風営法5号の申請は警察署へ。費用は約2.4万円、許可まで約2か月
クレーンゲーム出店に関する許可の申請は、お店のある場所を管轄する警察署(生活安全課)で行います。
手数料は24,000円ほどで、許可が下りるまでの期間はおおむね2か月が目安です。
おおまかな流れは次のとおりです。
- 事前の下調べ:物件が条件を満たすか(場所・造り)を確認する
- 書類の作成・申請:必要書類をそろえて警察署に提出する
- お店のチェック(実査):申請から10日〜3週間ほどで、警察などの担当者がお店を訪れ、図面どおりかを確認する
- 許可:問題がなければ、申請から土日祝を除いて55日以内をめどに許可が下りる
図面を提出したあとに機械の配置を勝手に変えると、チェックで指摘されてやり直しになります。実際の配置場所は、申請内容と必ずそろえておきましょう。
風営法5号の営業申請は、ほかの風俗営業よりも書類が多いのが特徴です。主に次のような書類が必要となります。
- 許可申請書
- お店の図面
- 賃貸借契約書
- 建物の使用承諾書
- 登記事項証明書
- ゲーム機の説明書
- 機械ごとの料金表 など
警察署に納める手数料は、都道府県により多少前後しますが24,000円ほどです。
書類集めや図面づくりに手間がかかるため、多少費用がかかっても、専門家である行政書士に申請を任せたほうが確実に手続きを進められるでしょう。

もっとも注意したいのが、物件を契約するタイミングです。
物件を契約したあとに、営業できない地域だったと判明するケースも珍しくありません。
不動産会社は風営法のルールに詳しいとは限らないため、契約の前に「その場所で営業できるか」「建物の持ち主から使用承諾がもらえるか」を必ず確認しましょう。
使用承諾書は申請に欠かせない書類で、持ち主の同意が得られず申請できない場合もあります。
賃貸借契約を結ぶ前に、「風俗営業の許可申請に使う」と伝えたうえで、使用承諾を得られるかを必ず確認しましょう。
営業は深夜0時まで!未成年の入店にも時間の制限あり
クレーンゲームのお店には、営業時間と未成年者の入店についてのルールもあります。原則として深夜0時を過ぎての営業はできず、未成年が入れる時間にも制限があるため、確認しておきましょう。
風営法5号のお店は、深夜0時から朝6時までの時間帯は営業できません。遅くまで開けたい場合でも、深夜0時を過ぎると閉店する必要があります。
ただし、地域によっては条例により扱いが異なる場合があるため、出店予定地のルールを確認しておきましょう。
なお、ガチャガチャのような許可がいらないタイプの機械だけを置くお店であれば、24時間営業も可能です。
ゲームセンターは、性的なお店とは違い、未成年者も入れます。ただし、入れる時間には制限があります。
たとえば東京都では、18歳未満は夜10時まで、16歳未満は夜6時までと定められています。
未成年が入れる時間は地域の条例によって少し異なるため、出店予定地のルールを確認しておきましょう。
無許可で営業すると、会社なら罰金は最大3億円
2025年の法改正で、無許可営業などへの罰則が大幅に重くなりました。
「許可なんて取らなくてもバレないだろう」と考えていると、重い罰則の対象となるおそれがあります。許可が必要なケースでは、営業開始前に必ず取得しましょう。
2025年の風営法改正によって、罰則は次のように引き上げられています。
| 2025年の改正前 | 2025年の改正後 | |
|---|---|---|
| 個人 | 2年以下の懲役または 200万円以下の罰金 | 5年以下の拘禁刑または 1,000万円以下の罰金 |
| 会社(法人) | 200万円以下の罰金 | 3億円以下の罰金 |
参考:風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律(概要)
罰則を強める部分は2025年6月28日から、許可を出せない人の条件を増やす部分は同年11月28日から始まっています。
「拘禁刑」は2025年に導入された新しい刑罰です。刑務所に入る期間が最長5年というのは、決して軽い罰ではありません。
2025年の風営法改正のきっかけは、ホストクラブの悪質な営業が社会問題になったことでしたが、罰則が強まったのは「風俗営業全体に共通するルール」です。
「ゲームセンターの無許可営業も同じく対象になる」と、把握しておきましょう。
特に危ないのが、「数台だけだから」と軽く考えてしまうケースです。
10%ルールの範囲を超えていると気づかないまま営業を続けると、無許可営業とみなされるおそれがあります。
「知らなかった」では済まされません。
自分のお店を守るためにも、少しでも不安があれば、営業を始める前に行政書士のような専門家に確認しておきましょう。

クレーンゲームと風営法のよくある質問
クレーンゲームの設置や出店について、多く寄せられる疑問を4つピックアップしました。不明点は事前に確認しておきましょう。
- バーに1台だけ置く場合も許可はいる?
- 置き方次第です。
バーの片隅にクレーンゲームを1台だけ置く場合、設置スペースが客室面積の10%以下なら、許可は不要な可能性があります。
ただし、10%を超えれば許可が必要です。許可がいらない場合でも、景品は小売価格おおむね1,000円までという決まりは守る必要があります。
- Q.ガチャガチャやプリクラにも許可はいる?
- 原則として許可は不要です。ガチャガチャはお金を入れれば必ず何かが出てくるため、プリクラは写真という成果物が手に入るため、いずれも射幸心が低いとされ、風営法5号の対象外にあたります。
ガチャガチャやプリクラの機械だけを置くお店なら、5号許可は基本的に必要ありません。
- Q.1,000円を超える景品は本当に置けない?
- 1,000円を超える景品を置けるかは、お店のタイプによります。
許可を取ったお店や10%ルールのお店では、景品は小売価格おおむね1,000円までと決まりがあります。
一方、施設の形態によっては、風営法5号営業としての景品規制がそのまま適用されないとされるケースもあります。
ただし、店舗の区画、運営主体、見通し、設置目的などによって判断が分かれるため、「大型施設内なら1,000円を超えてもよい」と一律に考えるのは危険です。
1,000円を超える景品を扱う場合は、必ず事前に所轄警察署または専門家へ確認しましょう。
- 申請は自分でもできる?
- 申請はご自身でも手続き可能です。ただし、5号営業の申請は書類が多く、図面の作成や警察署との事前のやり取りなど手間がかかります。
地域ごとのルールの違いもあるため、スムーズに進めたい場合は、風営法を専門とする行政書士に依頼したほうが確実でしょう。
まずは「自分のお店は許可がいるか」を見極めよう
クレーンゲームと風営法について、要点は次の7つです。
【クレーンゲームと風営法についてのまとめ】
- クレーンゲームのお店は、原則として警察の許可(風営法5号)が必要
- ゲーム機のスペースが客室面積の10%以下なら、許可がいらないこともある
- 景品は小売価格おおむね1,000円まで(お店のタイプによって扱いが変わる)
- 許可には「人・場所・お店の造り」の3つの条件がある
- 申請は警察署へ。手数料は約24,000円、許可まで約2か月
- 営業は深夜0時まで。未成年者の入店時間にも制限がある
- 2025年の改正で罰則が大幅に重くなり、無許可営業は会社なら最大3億円の罰金
まず確かめるべきは、「自分のお店に許可が必要かどうか」です。置く機械の種類と、ゲームコーナーの広さが分かれ目になります。
しかし、面積の数え方や地域ごとのルールは複雑で、判断に迷う場面も多く、自己判断での出店・設置は法的リスクを伴います。
クレーンゲームの出店や設置で少しでも不安があれば、風営法を専門とする行政書士に早めに相談しましょう。
クレーンゲームの出店・設置の相談は、行政書士事務所ネクストライフへ!
行政書士事務所ネクストライフは、風営法を得意とする行政書士事務所です。
これまでにクレーンゲームを扱うゲームセンターやカジノ、雀荘、キャバクラなど、数多くの風俗営業許可取得をサポートしてきました。
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