最近のバイトテロの事例を振り返る・・・
ドミノ・ピザのバイトテロ、動画が拡散され、該当店舗は営業停止
動画は、兵庫県の尼崎店でアルバイト従業員が鼻の穴をほじった指をピザ生地にこすりつける内容のもので、「X(旧ツイッター)」に投稿され広く拡散。
焼肉ウエスト唐津店「肉入り段ボールに土足で乗る」バイトテロ
外食チェーン「株式会社ウエスト」の「焼肉ウエスト唐津店」において、虫を駆除するスタッフを撮影する際に「肉の入った段ボールに土足で乗って」撮影。食材はすべて破棄したものの大きくニュースとなる。
くら寿司のバイトテロ、破棄された食材をまな板へ
くら寿司のケースでは、ごみ箱に捨てた浜地の切り身をまな板に載せる動画が拡散され、1,300の抗議の電話がある。株価は暴落し大きな損失を企業は被った。
しゃぶ葉 伊奈店におけるバイトテロ、
しゃぶしゃぶ食べ放題チェーン店「しゃぶ葉 伊奈店」にて、調理場内において従業員が他従業員を羽交い絞めにして破棄予定ではあるものの業務用ホイップクリームを他従業員の口に直接流し込まれる動画がX上で拡散される。
バイトテロの定義
バイトテロは、「不適切な食材等の取り扱いを撮影し、その様子をSNS等不特定多数が閲覧することができるオンライン上に投稿し他結果、炎上する状況」を言います。結果、広く一般の目に届くこととなるため、企業への世間からの批判、企業価値の低下へつながることとなります。
なぜ飲食店においてバイトテロが起きるのか
全体的なコミュニケーション不足
アルバイト同士・社員同士、そして全体でコミュニケーションが取れていない場合、「何でも信頼して話せる環境」が形成されておらず、その結果、店に対して不満に思っている者の存在、飲食店のトップマネジメントにとって好ましくない就業環境の形成に気づくことができず、まさかの事態に発展することとなります。
共有されたルール・評価基準がない
「共有された目標」「共有された評価基準」「共有されたオペレーション」が無い、または不明確であるため、各々が独自のやり方・考え方で業務を行うこととなります。複数上司がいる場合、部下に対する対応・評価がそれぞれ異なり、全体としてその飲食店への関心が低くなり、店への愛着も低い状況となります。
逃げる先、はけ口の先、認めてもらう先になり得るSNSの存在
前述のような状況が存在すると、アルバイトにとって仕事に対する質問、不満・悩みを話す同僚、先輩、上司がいないことがうかがえます。そんな状況に陥ったアルバイトにとって、SNSは「逃げる先」「はけ口の先」「認めてもらう先」となり、間違った方向へ進むリスクもあります。
飲食店でバイトテロを起こさせないための具体的対策
経営理念・ビジョンを策定し、事業計画やオペレーションを店舗全体で共有する
「経営理念=ミッション=この店舗は社会の中で何のために存在するのか・どんな使命があるのか」「ビジョン=経営理念を追求することで数年後に我々の事業はどうなることを目指すのか」、それを実現するための「事業計画」と「日々のオペレーション」は、アルバイトをはじめ従業員がいる事業であれば必ず必要であるところです。
なぜなら「経営理念」や「ビジョン」そして「事業計画」「オペレーション」が無い、または不明確であると、従業員は「どこに向かって進めばよいのか」わからなくなり、前述のとおり自分自身で判断して業務を行うこととなるからです。
人それぞれ独自の経験を積み、独自の価値観を持っていますから、経営理念等がないとバラバラな業務が行われる可能性が高く、上司に相談事があっても「人それぞれ答えが違う」こととなります。管理者やリーダーからしても「何をもって部下を評価し、指示すればよいのかわからない」状態となります。
「想い・価値観・存在意義、そして目指すべきこと」を共有することで「チーム」としてのまとめり・世界観をつくりり上げていきます。
飲食店において、アルバイトはお客様と接する機会が多いはずです。「お客様にどのような商品・サービスを提供すべきか」「その理由はなぜなのか」そういったことまで語ることが大切です。
経営理念、ビジョン、それに基づく目標があることで、その飲食店に所属するスタッフ・経営者にとって「共通の興味の対象」を作ることができます。たとえば「月々の目標達成についてどうすれば良いか」仕事の時間内で話すだけでなく、仕事外でも自発的に会話するきっかけを作ることができます。
経営理念等を共有したうえで、バイトテロのリスクを確認する
「どんな使命があるのか、目標達成のためにどうするのか」を共有したうえで、お客様や社会との良好な関係を築く中、「不適当な対応・業務への姿勢がどのような結末を招くのか」全員で考えていきます。
「管理者」への教育
経営理念に基づいた人事評価を整備し、そのうえでアルバイト、部下である従業員を指導・管理する管理者を育てていきます。「仕事ができる人=管理者に向いている」とは限りません。むしろ多少仕事ができなくても「人のことを大切にする・思いやりのある人物」が管理者に向いている傾向があります。
最初の研修を「勝負」ととらえる
最初の研修がいい加減なものである場合、あとから引き締めていくことはなかなか難しくなります。前述の経営理念・ビジョンを含め、自身の飲食店のあり方について明確なメッセージを伝える仕組みが必要です(マニュアル整備、定期的なケーススタディ・事例研究)。
特に「どういった姿勢・業務が評価され、どのようなことが厳罰の対象となるのか」初めのうちに伝えることが大切です。
アルバイト、従業員が「この人・この店のためならやってやるか」とい思える関係を築いていく
例えば、お客様に感動的な商品・サービスを提供すると、そのお客様は誰かに伝えたくなりますし、知り合いを連れて再来店したくなるでしょう。sns上で感動した体験を発信するかもしれません。「自分の居場所ができた」そう思って上顧客にになるかもしれません。
そんな姿勢を、アルバイトを含めた従業員1人1人に対しても向けてみてはどうでしょうか。「彼らがうれしく思ってくれることは何なのか」「仕事を通して彼らを感動させたい」そういった気持ちで常に接し、行動することでアルバイトその他従業員に「この飲食店の為ならがんばれる」そういう気持ちが芽生えるはずです。「大好きなアルバイト先」「自分を認めてくれるアルバイト先」はのためなら頑張ろう!そういう気持ちになるのではないでしょうか?
お給料を支払っているのだから「ルールをまもって仕事をするのは当然」かもしれませんが、良好な関係が無ければルール順守の姿勢も低いであろうことは容易に想像できます。
間違ったことをしたアルバイトに「どう対応すべきか」備える
アルバイトが業務上ミスをしてしまい、またお客様へふさわしくない接客をしたとき、「どのように指摘し改善を促すか」、そのやり方・表現方法を間違えると飲食店への忠誠心を一気に低下させることとなります。
部下の指導の仕方でよく参考に挙げられるのが「徳川家康」です。家康は「人前では叱ることをせず」、まず初めに「日ごろの功績をたたえ」、その後の「この度の失敗は君らしくない」ことを伝え、「今後も期待している」ことを述べて終わるそうです。全体を通して「部下へのリスペクト」がベースとなった指摘となっています。
また指導する側についても「怒りをぶつけるようなしかり方」は何としても避けたいところです。これは指導というよりは「怒りをぶつけることが目的」となっているかもしれません。冷静になったときに指導をすることはもちろんですが常に「怒りをぶつけない」ことを意識することが大切です。
人は、感情が揺さぶられると「行動に起こす」生き物です。感動すればその気持ちを誰かにつたくなりますし、不満があると当事者には言えずsnsに書き込みもします
管理者を、できるだけアルバイトのいる場に滞在させる
アルバイトだけという時間をなるべく作らず、管理者が滞在することで、良い意味で「緊張感のある就業環境」を維持していきます。アルバイトの中には高い意識を持った方もいるでしょう。そんなメンバーと連携してバイトテロが起きない環境づくりをしていくことも効果的です。そういった人材が残念ながらいない場合、例えば就業場所に監視カメラを設置してバイトテロを防止する施策も広がっています。
最初のうちは有期雇用契約
入社したアルバイトを見極めるために、「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」を遵守しつつ有期労働契約を締結することで飲食店を守ります。
経営理念、ビジョン、事業計画の策定、オペレーションづくりをフルサポートしています!
行政士事務所ネクストライフでは、アルバイトをはじめ従業員さんを雇用する飲食店の「経営理念」「ビジョンの策定」そしてこれらを実現するための事業計画、オペレーション整備についてサポートすることができます。
また事業計画の実施については「補助金の活用(返済不要の行政からの資金支援)」を活用しながら実行支援することもできます。お気軽にご連絡・ご相談ください。
バイトテロの防止だけではない、チーム一丸となってお客様に選ばれる飲食店を、私たち行政書士事務所ネクストライフと目指しませんか?