「風営1号」と「深酒」・・・気になることをすべてお話します
風営法専門の行政書士事務所ネクストライフでよくあるお話である「風俗営業1号許可」と「深夜酒類提供飲食店営業届」の「どっちがいいのか論」。
いろいろな方からのご相談がありますが、その中でも特に多いのが下記のようなご相談です。
「風俗営業1号許可」が取れないなら「深夜酒類提供飲食店営業届出」を取る
(第2位)
「風俗営業1号許可」と「深夜酒類提供飲食店営業届出」を両方取る
(第3位)
「風俗営業1号許可」と「深夜酒類提供飲食店営業届出」はどっちが「お得」なの??
(第4位)
「深夜酒類提供飲食店営業届出」を届出て「接待ギリギリの営業」をする
(第5位)
「スナック」「ガールズバー」は「風俗営業1号許可」を取らなくてもできるでしょ?(深夜酒類提供飲食店営業届出で大丈夫?)
「風俗営業1号許可」が取れないなら
「深夜酒類提供飲食店営業届出」を取る
「風俗営業1号許可が取れなければ深夜酒類提供飲食店営業届出を取る」ということについては、
例えば深夜酒類提供飲食店の「場所的要件」「構造・設備要件」をクリア出来れば、深夜酒類提供飲食店営業届出をすることが可能です。
病院や学校があることで「場所的要件」をクリアすることができずに風俗営業1号をあきらめなければならない・・・、そんなパターンが多いですが、「用途地域」を調べた時に「商業地域」等であれば「深夜酒類提供飲食店営業」の営業ができます。
「深夜酒類提供飲食店」を行う予定であれば、まずはお店の市区町村役場へ「用途地域」を確認してみましょう。
ただ 深夜酒類提供飲食店営業届出ではできないことがあります。
それは「接待」です。
接待行為は「歓楽的雰囲気を醸し出す方法によって客をもてなすこと」を言いますが、簡単に言うと「お店の女の子がお客さんとイチャイチャする行為」です。この行為が許されているのは「風俗営業1号許可」のみです。
深夜酒類提供飲食店は、 あくまで「飲食店」であって、その飲食店が「深夜の時間帯」に営業を行うだけなのです 。
ですから、風俗営業1号ができない場合に、深夜酒類提供飲食店はできる可能性は大いにありますが、
深夜酒類提供飲食店を行う場合には「 『接待』を行うことはできない 」ということになります。
「風俗営業1号許可」と
「深夜酒類提供飲食店営業届出」を両方取る
風俗営業1号許可と深夜酒類提供飲食店営業届出は同時に2つの手続きが可能なのか?
結論から言いますと、「ほぼ不可能」ということになります。世の中「絶対」はないのですが・・・・
残念ながら今の実務上の傾向からいくと「できません」としか言いようがありません。
風俗営業1号を行うには、風俗営業1号許可専用の要件をクリアしなくてはいけません。
深夜酒類提供飲食店営業を行うには深夜酒類提供飲食店営業専用の要件をクリアしなくてはいけません。
下記の表をご覧下さい。特に「風俗営業1号」と「深夜酒類提供飲食店」で気になる違いをご案内しています。
項目 | 風営1号 | 深酒 |
---|---|---|
客室内部が外部から 用意に見通すことができない |
該当 | 該当せず |
照度(照明の明るさ) | 5ルクス以下とならないこと | 20ルクス以下とならないこと |
接待 | 可能 | 不可能 |
営業時間 | 午前0じから午前6時はできない | 午前0じから午前6時にできる |
上記をご覧頂いてわかりますとおり、これだけの設備や営業の違いがあります。
例えば、午前0時前まで「風俗営業1号」を行い、午前0時以降に「深夜酒類提供飲食店営業」を行います!といったところで警察署・生活安全課や公安委員会からすれば午前0時以降も「接待やろうと思えばできる環境があるでしょ」となるわけです。
それに「午前0時」という時間を区切りに「風俗営業1号」「深夜酒類提供飲食店営業」ときっちり区切ることは、同じ店舗内にある以上無理があります。
何より「確実に行う保証など何もない」わけです。
ただ、2店舗を賃貸して1つの店舗で「風俗営業1号許可」、もう一方の店舗で「深夜酒類提供飲食店営業届出」の手続きをすることは、もちろん可能です。両方の手続きはそれぞれ独立した店舗においてなされるので問題はない、というわけなのです。
上記のように1つの店舗内で「2つ以上の風営法上の営業」がなされることが問題なんです。
「風俗営業1号許可」と「深夜酒類提供飲食店営業届出」はどっちが「お得」なの??
以下はあくまで行政書士事務所ネクストライフの独断と偏見でのお話です(ちがうよーという方、ごめんなさい!)。
風俗営業1号は午前0前までしか営業することができません。これに対し深夜酒類提供飲食店営業は午前0時から午前6時までの時間帯も営業することができます。しかし午前0時から午前6時までの間にどれだけお客様が来るかはわかりません。毎週月から金まで深夜の時間帯にお客様は来るんでしょうかね・・・。
一方、風俗営業1号は、弊所のお客様で言えば、終わりの時間はもちろん午前0時前なのですが、スタートの時間を「午後2時」だったり「午後0時」とするお客様が増えています。スナックやキャバクラ・ガールズバーが昼間から営業するイメージでしょうか。
なんだかまとまらないお話をしている感じになってしまいましたが・・・
何を言いたいかというと
「風俗営業1号」とか「深夜酒類提供飲食店営業」というような「営業方法」から選択するのではなく、「お店の地域」「客層」「潜在的にあるニーズ」などの状況を踏まえて「営業方法」を選択してみてはいかがでしょうか(その地域の「夜のお店の店舗数」「どんな業種のお店があるのか(風営1号?深酒?)?」「駅の近く?駅から離れている?」「工業地域の近く?」「店舗周辺はベットタウン?それともビジネス街」などなど・・・)?
その上でご自身が「どちらの営業が得意なのか」
「どちらの営業に勝機を見出しているのか」
お考えの上で選択したほうが良いのではないでしょうか。
いくら費用面で深夜酒類提供飲食店営業営業がいいよね、、、
といっても接待飲食業が得意であれば
そちらを行った方が勝機は高くなりますよね。
こういった観点から「風俗営業1号、深夜酒類提供飲食店営業どちらにしようか・・・」と考えている方もいらっしゃるのでズバリお話ししますと・・・「風俗営業許可の方が『費用』『負担』は圧倒的にかかる」と思っています。
行政書士事務所ネクストライフでは「費用」「負担」という観点から風俗営業1号と深夜酒類提供飲食店営業どちらがいいか、相談された場合には必ずそうお話しします。下記を見てください。
深夜酒類提供飲食店営業 | 風俗営業許可 | |
審査期間 | 10日 (営業開始の10日前に手続き) |
55日 (カラ家賃の発生) |
警察への法定費用 | 24,000円 | なし |
保全対象施設の調査 | あり | なし |
店舗検査 | あり | なし |
「費用」という点でいえば風俗営業1号許可の「審査期間」が2か月ほどかかってしまうため、自ずと「2か月分のカラ家賃の発生」が起こります。
この間は風俗営業は一切できません。その一方で深夜酒類提供飲食店営業は「深夜営業を開始しようとする日の10日前」までに提出しなさい、という決まりになっています。 要するに提出して10日後に深夜営業ができるわけです。
だからといって、どちらが最終的に良いのかというのは上記をご覧いただいた上でこれから営業する「ご本人」が決めることです。
費用だけでいえば深夜酒類提供飲食店営業の方がお得ですし、「深夜営業による利益獲得のメド」がたっているのなら「今すぐ深夜酒類提供飲食店営業届出でしょ!」となりますが、やみくもに手を出しても意味がありません。
得意な分野そして環境・・・
そんなことに配慮して
最終的に決定してみてはいかがでしょうか。
「深夜酒類提供飲食店営業届出」を届出て「接待ギリギリの営業」をする
こういった「うちのお店は接待ぎりぎりの営業をするから大丈夫だよ」とか「接待ぎりぎりの営業を教えてくれるかな?」といったお話を受けることが度々ありますが・・・・・
「接待ぎりぎりの営業」についての法律や基準はこの世に公開されていませんし、例えば生活安全課の担当者の方もお話しすることはないでしょう。
今のところ「接待についてのヒント」はそれくらいのものです。
中には「歓楽的雰囲気を醸し出す雰囲気をを創る服装をしていれば、それも接待である」という担当者の方もいるようです。
要するにギリギリのところになればなるほど「これは接待です」となる可能性が高くなるわけですから「接待ギリギリの営業」をする限り「罰せられる」という覚悟を常に持っていないといけません。

「スナック」「ガールズバー」は「風俗営業1号許可」を取らなくてもできるでしょ?(深夜酒類提供飲食店営業届出で大丈夫?)
「接待がなければ」深夜酒類提供飲食店営業の届出でも大丈夫です。
「接待がなければ」お店の名前はなんでも構いません。
「スナック」でも「ガールズバー」でも「クラブ」でもなんでもいいのです。
ただ、そういった名前のお店であれば警察署生活安全課の担当者の方は「おそらく接待するな」と疑うかもしれません(というよりは、疑われて仕方ないです。)。
「接待はしない」というお店であれば自信をもってどんどん営業していって良いと思います。
行政書士事務所ネクストライフでも、お客様が「接待はしないお店で、深夜酒類提供飲食店営をしたい」とお客様がお話すれば、お店を管轄する警察署・生活安全課にその内容で手続きをします。
ただ「接待はしない」という考えであっても、その接待自体をあまり理解していないお客様も結構いらっしゃいます。
まずは「接待」について行政書士事務所ネクストライフのホームページ等で確認していただき、その後にどのような店にしたいのか選んでいただければと思います。
いかがでしたか??
上記にご案内した「違い」を考えると「風俗営業1号営業」と「深夜酒類提供飲食店」同時に「1つの店舗」で満たすことはまず不可能です。
でも結果は「ダメ」です。なぜなら日々の営業で「20ルクスを超える照度」を保つ絶対的な保証はありません。また「接待」を午前0時まで行っていて、それ以降は「接待をしない」生活安全課に申告したところでその確証は全くありません。
そういったことから上記2つの手続きを「1つの店舗」で行うことはまず不可能と言えます。
とにもかくにも、せっかくお店を賃貸してお金をかけて営業を始めるわけです。事業活動が半永久的に続きますよう「法律違反は内容に」営業していただきたいと願っております。風営法専門の行政書士事務所ネクストライフは、風俗営業1号許可や深夜酒類提供飲食店営業届出の手続きを多数行ってきましたので、風俗営業や深夜酒類提供飲食店営業などわからないことございましたらいつでもご連絡ください。